Archive for May, 2005

Hegel, Plumbing and History

Tuesday, May 24th, 2005

私たちは60年築の古いデュープレックスといわれるタウンハウスに住みだしてから3年もなりますが、今年の夏から日本へ一年在住することになりました。これを機に、家を貸すことにしましたので、最近壊れてきた洗面所のシンクなどを取り替える作業に力をいれています。最初は古くなったシンクのフォーセットと洗面台だけを取り替えようと思っていましたが、表面だけをきれいにするだけで終わるようなプロジェクトではありませんでした。表面を直すには、かなり深く掘り下げなければならなかったのです。

洗面所に入ると狭いところではありますが、40年代のクラシックの雰囲気があります。その雰囲気を壊さずに洗面台とそのフォーセットだけを取り替えようと思いました。洗面台には、50年以上の形跡がいろいろと立つようになっています。錆って来たところもあれば、長年石鹸をおいた場所がへこんで、きれいな塗り物のようなやや青味をおびた淡灰色になっているところもあります。フォーセットは多少のくせがあっても、まだまだ使えそうで、捨てたらもったいないようなものです。アメリカの鉄工業が生み出した頑丈なこの洗面台は表面の欠陥さえ無視すれば、もう50年でも使えるのではないかと思えるものです。

新しい洗面台とバニティといわれるキャビネットを設置して、配水管と下水管を繋いで水を流してみると、あちらこちらが漏水していることがわかりました。配水管と洗面台の間を繋ぐ安全弁は、鉄鋼製のものではなく、安い金ので洗面台表面ほど長年耐えることができないようです。安全弁ほど頑丈なものが必要なものはないと思います。

安全弁が壊れていることがわかり、取り付けたバニティと洗面台を全部外しました。安全弁を取り外そうとしたら、壁の奥まで繋がっていくパイプも壊れていることがわかりました。この壁の前に座って、暗い壁の中へ入っていくパイプを見ながら、一瞬、どんな怖いものが壁の中に隠れているかを思いました。でも、徹底的に直そうと決心しました。ホームセンターへまた足を運んで、あらゆる必要な部品を揃えました。壊れたパイプを外して、新しいものを付けましたが、作業はそれでも終わりませんでした。下水管は奥深くまで同じパイプがずっと繋がっているため、きれいに直せるパイプもあれば、やはりどうにもならないプもありました。下水管は、パイプの端のところが錆っていて、ほかのパイプときれいに接続することができませんでした。そこで、古いものと新しいものをどう続接しようかということで、頭を大分悩ませました。

結果的にはきれいに接続することをあきらめました。なるべく、錆びているところを避けて、何とか水が流れるように繋ぎました。この完璧主義者にとっては、これでよしというところがなく、納得するのが苦痛でしたが、そうしなかったら家の生活は止まったままになります。掘り下げればきれいに解決できる問題もあれば、完全に家を建て直さないかぎりは解決できないものもあります。

このことを通して私は考えました。現在、日中、日韓で緊迫する反日感情が、日中、日韓の間の歴史認識の違いが原因でいつまでも収まらないことに似通ったところがありました。日中・日韓の現在の関係が円滑に流れないまま放っておくわけには行きません。暗い壁の中に真剣に臨んで、解決できるものだけでもを解決して、今後は、錆びっている荒々しいところに触れなくても円滑な交流が行えるようにする方法が、探ればあるのではないでしょうか。